よしだっくすのブログ

衝撃的な体験を綴っていきたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

相席屋で出会った女の子にフリースタイルラップされて泣いた話

フリースタイルハラスメント。略してフリハラ

 

ハラスメントと聞くとなんだか重そうな印象だが、要は昨今のフリースタイルブームでラップに興味を持った人たちが、酔った勢いとかでフリースタイルをしてウザ絡みしてくることから由来しているようだ。いろんな人がラップをするようになること自体は、とても良いことだと思う。

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Webサイト「かわいいフリー素材集 いらすとや」より

そんなフリハラだが、ぼくは、「もしかしたらこれもフリハラじゃないか?」と思うような出来事に出会ったことがある。 

 

相席屋で出会った美容師

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Webサイト「相席屋完全ガイド - 男性編- _ 婚活応援酒場 相席屋」より

 10月半ば。ぼくは急に思い立って、エンジニアの友達を誘って下北沢にある某相席居酒屋へと足を運んだ。このまま出会いがないのはヤバいと思ったからだ。

 

21時くらいにお店に到着すると、中には相席しているグループが1組、残りは女性待ちという状態だった。

 

少し待てば女性は来るだろうということで、しばらく友だちと2人で飲みながら待つことに。相席屋へ来るのは初めてだったぼくは、上司から教えてもらっていた、これまで相席屋で盛り上がらなかったことは1度もないという「数字当てゲーム」? なるものを必死に覚えていた。

 

待つこと約1時間、ついに女性と相席した。

 

やってきたのは、フリーで美容師をやっているという24歳ちーちゃんかなちゃんの2人。

 

ちーちゃんは、「美容師やってるっス! 趣味はロードバイクっス! バンドが好きっス! ヴィレヴァンバイトしてたっス!」と、語尾に毎回イントネーション強めの「ス!」がつき、ぼくがイメージする絵に描いたような下北系女子だった。

 

一方のかなちゃんは語尾に「ス!」がつくことはなく、「わたしはねぇ〜美術館によくいくよぉ〜〜〜」と、こちらはこちらで絵に描いたようなお嬢様系のほんわかとした雰囲気の女性だった。

 

彼女たちも相席屋は初めてだったようで、最初は互いに緊張していたが、『君の名は。』『シン・ゴジラ』『逃げ恥』、ちーちゃんが好きなゲス極の話、かなちゃんの料理や美術館巡りの話などなど、あれこれ話しているとかなり盛り上がり、気づけば3時間が経過していた。

 

0時が近づき、「そろそろかな」という時に、ちーちゃんとかなちゃんからLINEのIDを聞かれた。女性から聞いてくるということは、「これはワンチャンあるんじゃね???」と、少しばかり期待に胸を膨らませた。

 

相席屋を出たぼくたちは、そのまま一緒に写真を撮り、駅へと向かった。

 

その途中、ちーちゃんが急に「終電なくなっちゃった、カラオケ行かない?」と言いだした。

 

かなちゃんも「歌いたい曲があったんだ!」と乗り気で、ぼくたちも初めの相席屋でカラオケまで行けるのは「大勝利確定www」ということで、すぐさまカラ館?へ向かった。

 

かなちゃんが急にラップしだす

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Webサイト「かわいいフリー素材集 いらすとや」より

 

トイレへ行ってから部屋へ向かうと、すでにかなちゃんが何かの楽曲を入力していた。

 

かなちゃんがマイクを持つと、イントロが流れた。

 

トゥットゥットウッ〜ン♪

 

んんん? これはたしか・・・? この夏、いろんなイベントやフェスで聞いたことがあるような、すごく馴染みのあるメロディーだった。

 

音が一瞬静まり返る。

 

かなちゃん 溜めに溜めたフラストレーション! パッと開放するマスターベーション

 

ぼく !?!?!?!?!?!?!?!?

 

そう、かなちゃんがいきなり歌い、いや、ラップしはじめたのだった

 

曲は、Creepy Nutsの「合法的トビ方ノススメ」だ。


Creepy Nuts(R-指定&DJ松永) / 合法的トビ方ノススメ 【MV】 Clean Ver.

 

相席屋にいる時はヒップホップの話は一切してなかったし、バンプとRADが好きだと言っていたので、マジで超絶びっくりした。完璧にR-指定のラップを完コピしていたのだ。リズムもばっちり合ってて、普通にうまい。

 

かなちゃん 調教済みのブタ共は声あげろ!

 

ちーちゃん Ho〜〜〜〜〜!!!!!

 

冷静に考えると、たしかに今年はフリースタイルが流行し、中でもフリースタイルラップバトルの王と言われるR-指定のグループ・Creepy Nutsの「合法的トビ方ノススメ」が収録されたミニアルバム『たりないふたり』は売れたと聞く。

 

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Webサイト 「Creepy Nuts Powered by LINE」より

 

また、R-指定はテレビに出る機会も多かったし、『フリースタイルダンジョン』での人気も一二を争うくらいはありそうだ。カラオケでかなちゃんがR-指定を完コピしているのは、不思議なことではないのかもしれない。

 

そう自分に言い聞かせ、冷静になっていると、早速次の曲が流れ出した。

 

トゥルルルルトゥルルン♪ トゥルトゥルトゥルルンッ♪

 

どことなく不穏な空気が流れるような、聞き覚えのあるイントロが響き渡る。これは、まさか・・・?

 

かなちゃん&ちーちゃん ビートモクソモネェカラキキナッ!!! ビートモクソモネェカラキキナッ!!! 

 

ぼく ファッ!?!?!?!?!?

 

Creepy Nutsの「合法的トビ方ノススメ」は前述したようにヒットしたのでまだ理解できたのだが、「ビートモクソモネェカラキキナ 2016 REMIX feat.般若, 漢 a.k.a. GAMI & R-指定」は、ヒップホップファンの間では人気の楽曲だが、一般層にまで広がっているとは考え難い楽曲だったので、さすがにびっくりした。

 


DJ RYOW『ビートモクソモネェカラキキナ 2016 REMIX feat.般若, 漢 a.k.a. GAMI & R-指定』【Music Video】

 

かなちゃん ホントRYOWは悪い奴だなぁ 俺はまるで勝俣ぁ

 

インテルよりも入ってる 俺のチンポ死ぬなって言ってる!!!!

 

ビートも! クソも! ねえ! から! 聞きな! 形じゃ! ねえモン! 見てる! 今!(顔を上下に振りながら)

 

#バースデー

 

般若バースを完ペキにコピーしている・・・。あの気迫のこもった感じも出ていて、まるで女性版般若だ・・・。驚きを通り越して、もはや恐怖でしかなかったのだが、同時に、ヒップホップはここまで広がっているんだとなんだか感動してきたのを覚えている。

 

感動に浸りながら、ぼくは間奏の間にかなちゃんに話しかけた。

 

ぼく いやぁ、かなちゃんもヒップホップ好きなんだね。ちょっとびっくりしちゃって、実はぼくも

 

かなちゃん (顔を前後に振りながら)アーン、アーン、アーン、イェイ、イェイ、イェイ、ヨ〜

 

ぼく !?

 

かなちゃん これからやっちゃうフリースタイル、いやサイファー、私はファイヤー、なめんな、おい立て、次はお前の番だ(ちょっとうろ覚え)

 

ぼく (マイクを渡される)え???? いや、え????? ラップとかやったことない・・・。

 

かなちゃん 何も言えない、マジウケるw 漢とR-指定のパートはいま練習中だから歌えないよ〜

 

そう、なぜかいきなりフリースタイルがはじまったのだ。かなちゃんは般若バースを完コピしていたものの、続く漢とR-指定バースは歌えなかったらしく、その間、突然フリースタイルし、ぼくにもマイクを向けてきたのだった・・・。

 

ぼくはヒップホップは好きだが、ラップはしたことがないし、マイクを向けられても、何も言い返すことができなかった。動揺したぼくは、ただただ「え? なに? 意味わかんないんだけど」と、冗談の通じない、ノリの悪いクソ野郎と化していた・・・。

 

ちーちゃん かなちゃんラップすると止まんないから、何か言ってあげてYo〜 ヒップホップ好きなら、ラップできて当たり前〜

 

ぼく え???? 

 

かなちゃん (ぼくのマイクを奪い取って)お前の前髪長すぎんだよ、R-指定みたいにデコ出せよ! てか、お前なんで来たんだよ相席屋、お前なんかならない相手にな〜〜!!!

 

ぼく え? だからどういうこと? え? え? え? うっ・・・・。(アカン、もうメンタルが・・・)

 

かなちゃん お前R-指定にやられたコマツみたい〜↑

 

 

かなちゃんにフリースタイルで心をボコボコに殴られ、最後に「お前なんで来たんだよ相席屋、お前なんかならない相手にな」と韻を踏んだ上での完璧なパンチラインをお見舞いされたぼくは、ハートが粉々に砕け散り、トイレへと逃げ込んだ。そして1人泣き、笑いながらぼくのことをずっと見ていた友だちを残して自宅へ逃げるように帰ったのだった。

 

こうして、ぼくの相席屋初体験は、女の子にフリースタイルで泣かされておわった。

 

後になって最後にかなちゃんにかまされたコマツという方とR-指定について調べたら、さらに悲しくなってきて、泣いた。見てほしくないので、ここには貼らない。

 

とまぁ、少々悲観的に書いてみたが、こうして思い出すといい思い出だし、今となっては、かなちゃんとも普通にヒップホップの話ができるようになったので、よいきっかけだった。

 

とはいえ、この忘年会シーズン、飲みの席に女性がいると、いつフリースタイルを仕掛けられるのか常にビクビクしてはいる。『フリースタイルダンジョン』の話になると、特に警戒する。

 

最後に、そんなフリハラの対処法について大好きな呂布カルマさんが寄せていたコメントを紹介する。あの時の自分に読ませたい。次やられたら返り討ちにしてやろう!

素人の人は、振られてしまったら最後、そこは気合い入れてやれ。つまらなきゃ二度と振られないし、ウケたんだったら武器にすりゃいいじゃないですか。(呂布カルマ) 

Web記事「フリースタイルハラスメントの撃退法! 8人のラッパーに聞いてみた」より引用